8月も もう終わろうとしている頃、
植えた訳でもないのに、野山や道端、高速道路の法面など、
あちこちの荒地に咲く白いユリが目に付く。
調べてみると、その名は「タカサゴユリ」。
てっぽうユリとよく似ているが、葉が細くて花も細長いのが特徴。
台湾の山地に広く野生するユリで、観賞用として日本に入ったのが大正12年。
旺盛な繁殖力のため、西日本を中心に広く野生化しているという。
種子で繁殖する「タカサゴユリ」
花が終わると1輪に付き1本、長さ10cmぐらいの「さや」が出来、
さやの中は6列に分かれていて、
その1列に100~200個の種子がぎっしり詰まっている。
そして晩秋になると、さやが弾けて放出された種子が風に乗って運ばれる。
毎朝のウオーキングの時、以前からずっと気になってた場所がある。
5m四方の範囲に咲くユリ、
その場所に咲くものだけが、たくさんの蕾を付けているのだ。
その中でも一際多くの蕾を付けた1本。数えて見るとなんと31個もあった。
これが咲いたら どんなに見事だろう?
大きなユリのブーケのようになるのかな?
道行く人達は皆、それが開花する日を楽しみにしていたのに・・・
蕾が出来始めた頃からず~っと見守って来たのに・・・
ある朝、それは無残にも折られていた。
悲しく思うみんなの心を察してか、
秋の訪れを感じさせるように蔦の葉が染まり始めていた。